イケメン検事の一途な愛
「みーなでも、湊でもなんでも大丈夫です。呼び捨てで構いませんから」
ねぇねぇ~でも、アンタでも、お前でもそんなに違和感がないというか。
鼻につくような嫌味な奴に言われたら、瞬時に訂正させるだろうけど。
彼の人間性がそうさせるのか。
「おいっとか、やぁとか、アンタ、お前、……何でも大丈夫です」
「フフッ」
「あ、その笑った顔。めっちゃイケメンですよ」
「えっ……」
無自覚なのかな。
片眉をぴくりとさせ、フフッと柔らかい笑みを溢す時。
物凄くきゅんとさせるような惹きつけるカッコよさがある。
普段はクールな表情が多いのに、ふわっとそのクールフェイスを崩す時。
それと、凛々しい鶴が獰猛な鷲に豹変するかのように。
時々見せる『大人の男』の色香が何とも言えない。
はにかんだ表情を浮かべたかと思った、次の瞬間。
リビングテーブルにカップを置き、私の隣に座り直した。
そして、私の背もたれ部分に手をついた彼はゆっくりと顔を近づけて来て……。
「み・な・と」
「ッ!」
私の顔を覗き込んだ彼は、甘えるようなそんな声色で名前を呼んだ。
今までの経験値から、耳元で囁かれるかもと一瞬脳内で想定したのだけれど。
予想に反して、彼は甘いマスクと妖美な声音で。
あぁ~負けてる~~。
ドラマや映画でこんなシチュエーション星の数ほどこなして来たのに。
プロだ。
絶対経験値が豊富だ。
きっと世の女性を沢山泣かせて来たのだろう。
「顔赤いよ?また熱でも出たかな?」
「ッ?!」
熱なんて無いのを知ってるのに。
彼はさりげなくおでこにおでこをくっつけて来た。