離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました
とある弁護士の後悔と思惑
 泰雅はすっきりと目を覚ました。

 元々寝起きはいい方だ。結婚してからは毎朝軽くジョギングし、シャワーを浴びた後、妻と囲む朝食を作るのが日課になっているが、面倒だと思ったことは一度もない。

 しかし今日は日曜日だ。このままベッドから出ないで彼女が起きるのを待ってもいいかと思った。

「無理をさせてしまったな」

 泰雅は、腕の中で眠る妻の顔に掛かる髪を整えながら言葉を落とした。

 昨夜は箍が外れたように彼女を抱いてしまった。

 昨日のデートはとても楽しかった。
 彼女のドレス姿はどれも美しかった。最終的に選んだ青紫色のドレスは、実は泰雅が『菫色で露出が少なく派手過ぎない清楚なものを』と、母に無理やりリクエストしておいたものだった。
 母は呆れつつも、店に伝えておいてくれたらしい。
 何も知らない純玲があのドレスを一番気に入ったのが嬉しく、つい顔が緩みそうになった。

 以前プレゼントしたブレスレットを宝物にしていて、ドレスに合わせたいと言われたときは、思わず抱きしめてしまうところだった。
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