離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました
 その後も彼女は楽しそうだった。
 Tシャツを選んでくれている時の真剣な顔もかわいらしかったし、自分のためにこっそり用意してくれていたプレゼントを渡された時も、プレゼントはもちろんだが、彼女の気持ちが嬉しかった。

 自分たちの距離は確実に近くなっている。そう思った。

 それなのに、突然吹っ切れた顔で2年を待たずに契約終了してもいい、結婚式は挙げないと言われ、泰雅は彼女からいきなり突き放された気持ちになった。

――君はいつでも俺から離れて行けるのか? 冗談じゃない。

 焦る気持ちのまま純玲の身体を求めた。さらに彼女の蕩けた顔や媚態に煽られ、一度では飽き足らずもう一度抱いてしまった。
 結果、意識を飛ばすように彼女は眠ってしまったのだ。

(“クールで大人な弁護士さん”が何をやってるんだか。どれだけ余裕がないんだ)

 純玲の弱みに付け込んでこの結婚に持ち込んだくせにと泰雅は自嘲する。
 自分はそれなりに分別のある性格だと思っていたのだが、彼女に関わることは冷静になれないらしい。

 結婚して入れて暫くたつが、純玲はいまだにこの結婚は契約と割り切っている。それがもどかしい。

 泰雅は眠る妻の頬を撫でながら呟く。
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