離婚予定の契約妻ですが、クールな御曹司に溺愛されて極甘懐妊しました
何を信じれば
 パーティから3日後の水曜日、純玲は会社帰りに産婦人科を受診した。

 緊張しつつ診察に臨んだが、妊娠3ヶ月に入ったばかり。心拍も確認でき順調だと医師に言われ心底ホッとした。

 産むことに迷いはない。
 泰雅はどう思うかは分からないが、この子は産むししっかり育てる。たとえひとりでも。その覚悟もできていた。

 純玲は帰宅し、夕食をとった。ひとりだとつい簡単なものや出来合いのもので済ませてしまいたくなるが、一応栄養を考えて、豚肉をさっとケチャップで炒めたポークチャップにして、野菜をたっぷり入れたコンソメスープを作った。残ったスープは明日の朝のめばいい。

 体調は良好だ。もう胃もたれのような感覚もないし、悪阻でよく聞く気持ち悪さや吐き気やだるさもない。ごはんの炊ける匂いやコーヒーの香りも大丈夫。今のところ仕事には支障がなさそうだ。

(泰雅さんには責任を取って結婚を継続するっていうかもしれないけど……それには甘えたくないな)

 純玲は食器を片付けつつ考える。

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