俺様ドクターは果てなき激愛で契約妻を捕らえて離さない

「芙美の反応がさっきまでと違うな。これが気に入ったのか?」
「はい。幸也さんはどうですか」
「俺もこれがいいと思う。もともと芙美の気に入ったものを買うつもりだったから」

幸也さんは店員に声を掛けると、この指輪を購入すると伝えた。

素材やダイヤの有無を選べるらしく、幸也さんはダイヤのないシンプルなもので、私はウェーブラインに沿って片側だけダイヤのついたハードプラチナの指輪に決まった。

受け取りまでには時間がかかるので、また改めて連絡がくるそうだ。

最初は戸惑っていた結婚指輪選びだったけれど途中からは真剣になってしまい、お気に入りの指輪を見つけることができた。店を出た私の気持ちはなんだかほっこりとしている。

お互い勤務中は着けられないけれど、幸也さんとこうして出掛けるときなどはお揃いで着けるのが今から楽しみだ。

じっくりと吟味したせいか時刻はすでに午後四時を過ぎている。この時間帯でも容赦ない夏の日差しが照り付ける街中を並んで歩く。

「結婚式もちゃんと挙げような」

ふと幸也さんがそう言った。

結婚当初、私たちは式を挙げないつもりでいた。結婚の理由があんな感じだったし、お互いの両親にも幸也さんの仕事が忙しいからと適当な理由を付けて結婚式の話題を遠ざけていたのだ。
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