俺様ドクターは果てなき激愛で契約妻を捕らえて離さない

山之内さんの連絡先を知りたいのは私ではなくて未華子先生だ。でも、本当の理由を話してもいいのだろうか。

正直に話せば、未華子先生が山之内さんに想いを寄せていることを幸也さんに知られてしまう。内緒にしてほしいと言われたわけではないものの、プライベートなことなので伝えづらい。

「言わないならこの連絡先を消すぞ。まぁ、言っても消すけどな」
「待ってください!」

幸也さんの手からスマホを奪い返そうとすれば、それを阻止するかのようにスマホを背中に隠した彼の眉間に皺が刻まれる。

「どういうつもりだ」
「違うんです。これは、未華子先生に頼まれて」
「成田に?」

どういうことだ、と幸也さんの視線が説明を求めてくる。こうなったらもう伝えよう。

「この前、山之内さんが私を訪ねて郡司総合病院を訪れたとき、小児科病棟のナースステーションまで彼を案内したのが未華子先生だったんです。そのときに山之内さんに惹かれたみたいで」
「惚れたってことか?」
「たぶん」

頷けば、幸也さんはだいたいのことを理解したのか軽く息を吐いた。

「それで成田に山之内の連絡先を教えてほしいと頼まれたのか」
「はい。でも私は山之内さんの連絡先を知らないので父に教えてもらいました」
「そういうことか」

納得したように呟いた幸也さんだけれど、まだなにか気になることでもあるのか私をじっと見ている。
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