俺様ドクターは果てなき激愛で契約妻を捕らえて離さない
「でも山之内は芙美の連絡先を聞こうとしていただろ。お前に気があるんじゃないのか」
その誤解をそのままにしていたことを思い出して「違うんです」と首を大きく横に振った。
「あのとき、山之内さんが知りたかったのは私の連絡先じゃなくて未華子先生のだったんです。山之内さんも未華子先生に惹かれたみたいで」
「待てよ。つまり、俺は勘違いしたのか」
幸也さんは顔をしかめると、しばらく黙ってしまった。
それからくしゃっと前髪をかきあげて、ため息を吐き出す。
「だめだな、俺は。お前のことになると不安になってばかりだ。陸とのこともそうだし、嫉妬なんかしてかっこ悪いよな」
「それなら私も同じです。未華子先生との関係を誤解して、嫉妬しました」
あのときもっと冷静になれていたら、智花さんの嘘に気付けたのかもしれない。だけど、〝出来損ないの奥さん〟と呼ばれたことがショックで、そこからはすべて後ろ向きな考えになってしまった。
幸也さんと別れることも頭を過ったほど……。