壊れるほどに愛さないで
「はぁ……」

一人でに溢れた、ため息は、よく晴れた秋晴れの空に吸い込まれていく。

僕は、美織からのラインのメッセージをしばらく眺めたまま、動けなかった。週末に美織が家に来ないと言ったのは、社会人になってから初めてだ。  

何か用事があるのだろうか、それとも僕に会いたくないだけなんだろうか?おそらく、後者だろう。 

「……昨日、どこに泊まったの?」

僕は、美織にちゃんと聞くことができるだろうか?

僕は、朝方まで、美織のアパートの玄関先で待っていたが、美織は、帰ってこなかった。和の家に泊まったと話していたが、恐らくそれも嘘だろう。もしも和の家に泊まったのならば、いつも、受話器越しに、揶揄うような和の声が聞こえるが、昨日電話した時はやけに静かだった。

まるで、美織の側にいる相手は声を顰めるように。

「まさか……他の男のとこ、泊まってないよね」

あの時、聞こえた美織を呼ぶ男の声が、頭に過ぎる。

僕は、全ての疑惑も嫉妬もかき消すように、頭を振った。

そして、さっき、コンビニで買った新聞を鞄から取り出した。
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