壊れるほどに愛さないで
隣のチームとは、席も少し離れていて、背中合わせになっているため、私が、雪斗に手首を掴まれているのは、誰も気づかない。

二人で、パソコン画面を見ながら、打ち合わせしているようにしか見えないだろう。

「で、も……」

「今朝の手紙の事もあるし、心配だから」

「えと……」

「今日は、さすがに連れ帰ったりしないし」

雪斗は、目を細めて子供みたいに笑う。その笑顔にすごく安心して、ずっと見ていたくなる。

「うん。分かった……」

「約束」

雪斗の掌が、ゆっくり離されて、私は赤い頬を隠すように、すぐさまパソコンに向かうと発注画面を開いた。
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