壊れるほどに愛さないで
「誰と見たの?」

雪斗が、ネギマを頬張りながら、ビールをおかわりした。

「……えっと……初恋の……男の子と」

一瞬、雪斗の顔が驚いたように見えた。

初恋の男の子の事を未だに覚えていることを、雪斗に知られて、急に恥ずかしくなる。

「恥ずかしい……」

「いいんじゃない?俺も初恋の女の子いるし……」

雪斗も恥ずかしそうに人差し指で、頬を掻いた。

「そうなの?」

「何?意外?俺なんて、未だにその初恋の女の子の夢みたりするしな、って、俺、美織に何言ってんだろ」

驚いて声も出ない私を見て、雪斗も切長の瞳を大きく開いた。

「え?まさか……美織も?」

「えっと……うん……この間も見たばっかり」

「マジか、ちなみに俺も」

「奇遇……だね」

「なっ」

お互い、少しだけ頬を染めながら、私達は、顔を見合わせて笑った。
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