エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む

 香澄と昴が先に家を出て行くとき、みんなで見送る。
 香菜なんて小春にだっこしてもらってもうすっかりご機嫌だ。

 小春たちのかわいさに目を細め、それから昴の方を見て違う意味ですっと目を細めた。

 すでに昴はしっかり香澄の手を握っていて、なんだか香澄が捕えられて逃げられないような気がして、思わず息を吐く。
 実際、昴は兄の俺にすら嫉妬するくらい独占欲はかなり強めだ。

「香澄。その……俺は結婚したけど、時々でも帰ってきていいんだからな。ここはお前の実家みたいなものだし」
「何言ってるの。兄さんは兄さんの家庭をちゃんと守りなさいよ。せっかく小春さんみたいな素敵な人と結婚できたんだから」

「でも全然帰ってこないから」
「また皆で来るよ、兄さん」

 昴の『皆で』という言葉と、『兄さん』という言葉に思わず顔を顰めてしまった。

 そんな俺の気持ちを落ち着かせるように、小春が明るい声で言ってくれる。

「ほんと神也先生気にしてるので、時々でもこうやって帰ってきてあげてくださいよ」

「すみません、こんな心配性の兄で」
「分かってるし、そういうところが好きなんですよ」

 いつもはっきり気持ちを口にする小春に救われてる。
 かわいくない義弟にムッとしていても、気持ちが浮上する。

 小春はそんな俺を知ってか知らずか、明るい笑顔で笑っていた。

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