エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む
きゅ、と唇をかむと、静かに昴さんが口を開いた。
「……でも、3か月後、旅行に行かないか。1年の期限の前に休み取るから」
「ほ、本当ですか?」
「あぁ」
(休みとる、なんて初めて言われた!)
「よかった、嬉しいです!」
思わず笑う。
私も一緒にいられる最後の数日、ゆっくり休ませてあげたい。
「熱海とか? 家でもいいですよ。ゆっくりできるといいですね」
「考えたんだが、パリはどうかな」
「え……」
(パリって、あのパリ? フランスの?)
私が目を開くと、それを見て昴さんが優しく笑う。
嬉しい。嬉しいけど、いいんだろうか。
「ほ、本当に、い、いいんですか? 一緒にいけるの?」
「あぁ。香澄は嫌か?」
「まさか!」
休みだけでなく、海外に昴さんと行くのも初めてで、私は嬉しくてたまらなくなった。
昴さんとの最後の思い出ができる。
そう思うと、ただ嬉しかったんだ。