内緒の双子を見つけた御曹司は、純真ママを愛し尽くして離さない
神妙な面持ちの卓也が懐から取り出したのは彼のスマホだ。

SNSアプリのトーク画面を表示させてテーブルに置き、兄が受け取って果歩は横から覗き込んだ。

(私のアイコンだ)

このトーク画面を含め、卓也の連絡先は彼の弁護士に消去されてしまったので、果歩のスマホからは消えている。

別れた日の昼間に電話をかけ合った履歴があり、それきりやりとりはないはずなのだが――。

「えっ、なにこれ!?」

果歩が目を見開いたのは、覚えのないメッセージが果歩から送られていたからだ。

【他に好きな人ができたので別れたいです。今までお世話になりました。書店は辞めるので来ても無駄です。さようなら】

どういうことかと混乱する果歩に、卓也が冷静に説明する。

「果歩は俺から別れを切り出されたと思っていたんだろ? だが俺は、そのメッセージで君にフラれたと思っていたんだ」

「私、こんなの送っていません!」

「わかっている。当時は騙されてしまったが。俺たちは別れさせられたんだ。果歩に接触してきたのは、この男じゃないか?」

続いて見せられたのは、弁護士の飛島の写真だ。

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