内緒の双子を見つけた御曹司は、純真ママを愛し尽くして離さない
寿司店は接待で何度か利用したことはあるが、今日は椿姫と食事を楽しむつもりはなく、タクシーを降りて中に入るとロビー横のカフェに向かった。

ベンジャミンのパーティションで区切られたスペースに、四人掛けテーブル席が六つとふたり掛けが四つあり、ショーケースにスイーツが並んでいる。

テーブル席は三つが埋まっていた。

「いらっしゃいませ。おひとり様でしょうか?」

黒いベストを着た女性従業員に尋ねられ、待ち合わせだと答えた。

「あちらのお客様でしょうか?」と店員が窓際の奥を手で示す。

十六時の約束の五分前だが、椿姫は先に到着していた。

艶やかな長い髪を下ろし、総レースで淡いグリーンのエレガントなワンピースを着て、ハイブランドのハンドバッグとパンプスという装いだ。

カフェでの待ち合わせの後、ドレスコードのあるレストランでの食事に誘われると考えての服装のような気がした。

(果歩ならカフェに似合うカジュアルな服で来て、レストランに誘われてから服装をどうしようかと慌てるだろう。俺は果歩のそういう素直さが好きだ)

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