内緒の双子を見つけた御曹司は、純真ママを愛し尽くして離さない
計算高い女性は苦手だと思いつつ卓也が歩み寄ると、彼女は気づいて優雅に微笑む。

「椿姫さん、お待たせしてすみません」

四人掛けテーブルの彼女の向かいに座り、作り笑顔を向けた。

「昨日の急な連絡も申し訳ない。今日はご予定が入っていたのではありませんか?」

「ええ。先約はキャンセルしました。卓也さんが初めてお誘いくださったんですもの。断る理由がありませんわ」

ルビーの指輪をはめた右手を口元にあて、椿姫はフフッと笑う。

その手で左の耳に横髪をかけた。

色白の細く長い指はきれいで、所作には上品さと色っぽさの両方を感じる。

それを見て、卓也の心はますます冷えた。

(家事を一切したことがなさそうな指だな。視線や手の動き、微笑み方、どうしたら男に好かれるのかをわかっていそうだ)

「来てくださって助かりました。今回の帰国中にどうしてもお会いしたかったもので」

「まぁ、嬉しい。卓也さんはシャイな方だと思っていたんですけど、そういうお気持ちも口にしてくださるのですね。女は弱い生き物ですから、今後はもっと言葉にして伝えてほしいですわ」

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