内緒の双子を見つけた御曹司は、純真ママを愛し尽くして離さない
「誤解しないでいただきたいのは、あなたのプライドを傷つけるつもりはないということです。先ほど提案しましたように、彼と私との交際に口出ししないことを条件に、あなたとの縁組を進めていいと思っています」

椿姫のプライドが激しく傷つくのを承知の上で言っていた。

案の定、彼女はお嬢様的なふるまいを忘れるほど激高し、椅子を鳴らして立ち上がる。

「今日のことはすべて父に報告します。あなたの会社がどうなっても私は知りません」

「それくらいで我が社が傾くとお思いなら試してください。その代わり、こちらも情報をリークします。これまで母があなたの家にいくら援助したのかを、私が知らないとでも思っているのですか?」

新薬の認可を早急に得たい時や、他社の後発薬のシェア拡大に困っていた時、六王寺家を含めた官僚や政治家数人に母から金品が贈られていたのは前々から知っていた。

それは祖父の代からの悪習で現在、母に指示しているのは父だ。

不正に反対の立場を取る卓也だが、まだ部長職にいる身では意見もできない。

今はじっと耐えて、経営権が譲られた後には是正しなければと思っている。

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