内緒の双子を見つけた御曹司は、純真ママを愛し尽くして離さない
木箱に入れられた高級ウイスキーで、稀少な年代のものなので一本で百万円ほどもする。

「わかってるな、お前。ウイスキーに合うチョコレートを買って帰ろう。今夜が楽しみだ」

和樹はチョコレートをつまみにウイスキーを飲む男で、甘党ではない卓也にはその美味しさがわからない。

ウイスキーの箱を嬉しそうに見ている友人に、卓也がしみじみと言う。

「お前が友人でいてくれてよかった」

すると珍しく冗談で返さずに、和樹がフッと口元に笑みを浮かべる。

「この先も大変だろうけど、卓也ならうまくやれるよ。幸せになれ」

「ありがとう」

卓也に近づこうとして人は集まってくるけれど、損得考えずに付き合ってくれる友人は少なく、和樹との友情もこの先ずっと守りたいと感じていた。



* * *



開口の広い窓の外に街路樹の梢が見える。

葉の半分が黄色く色づいたイチョウが秋の訪れを感じさせた。

ここはマンハッタンのセントラルパークに近い高級住宅地で、六階建てマンションの二階、日当たりのいい3LDKが果歩の住まいだ。

卓也と再会してプロポーズされたのは半年ほど前になる。

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