内緒の双子を見つけた御曹司は、純真ママを愛し尽くして離さない
「妬かないでくれ。お礼をしたくないわけじゃないんだ」

足元には卓也の黒い手提げ鞄と紙袋が置いてある。

紙袋の中から取り出したのは、透明の袋に入れられリボンで口を閉じたクッキーの詰め合わせだ。

「なにこれ、お前の手作りか?」

「そんなわけないだろ。果歩が和樹にお礼がしたいと言って作ったんだ」

料理が上手ではない果歩が、子供たちが寝た後に台所で悪戦苦闘して数種類のクッキーを焼いていた。

和樹がいなければ卓也とは別れたままだったので、恩人だと言っている。

果歩の感謝の気持ちを伝えると、和樹が柔らかく笑った。

「へぇ、可愛いことしてくれるね。手作りのお菓子をもらうのは何年ぶりだろう。家に帰ってゆっくり味わ――おい」

和樹が文句を言ったのは、卓也がクッキーを取り上げて手提げ鞄にしまったからだ。

「見せただけだ。悪いがこれは果歩に見つからないよう、こっそり俺が食べる」

「焼きもちか?」

「否定しない。代わりにこれをやるよ。お前はこっちの方がいいだろ」

重みのある紙袋を渡すと、中を覗いた和樹が「おっ」と声をあげた。

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