内緒の双子を見つけた御曹司は、純真ママを愛し尽くして離さない
「そんなに急いで隠さなくてもいいだろ。今さらじゃないか」

笑われてさらに頬を熱くしつつ、ネックレスのダイヤに触れた。

「素敵なネックレスまでありがとうございます。でも誕生日でもないのに、いいんですか?」

今日は随分と贅沢なデートをさせてもらった。

このホテル内のレストランでフルコースのディナーをご馳走になり、その後に宿泊しようとジュニアスイートの鍵を見せられた。

普段のデートはイタリアン居酒屋や気軽に入れる創作和食の店や、チェーン店の焼き鳥屋の時もある。

ふたりで買い物をして果歩のひとり暮らしのアパートで一緒にキッチンに立ち、彼が泊っていくこともよくあった。

それらの費用もすべて出してもらって常々申し訳なさを感じているのに、今日は輪をかけての贅沢ぶりに戸惑ってしまう。

すると余裕のある笑みを浮かべた卓也がウインクする。

「いいんだよ。今日は交際三か月記念日だから」

「三か月は記念日と言わないですよ」

「そう?」

軽く受け流されて肩を抱かれた。

「いいんだよ」ともう一度耳元で囁かれ、その低く甘い声に果歩の鼓動が高まる。

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