内緒の双子を見つけた御曹司は、純真ママを愛し尽くして離さない
今週末、久しぶりに実家に帰って兄の小言を聞きたいという気持ちになった。
それから三日が経った土曜日。
今日の果歩のシフトは休みで、午後から兄に会いに実家に帰る予定でいる。
その前に自宅アパートの洗濯と掃除に取りかかった。
1Kの狭い部屋にはベッドとローテーブルとテレビ、冷蔵庫と電子レンジ、小さな食器棚しか家具を置いていない。洗濯機はアパートの外廊下だ。
本当は実家から大量のお気に入りの本を持ってきたいけれど収納場所がなく、ひとつだけのクローゼットはさほど多くない洋服やバッグ、日用品を入れたら他にスペースはない。
掃除と洗濯はすぐに終わり、清潔な部屋を見回した果歩はうっと口元を押さえた。
(気持ち悪い。柔軟剤の香りが駄目かも。いつも使っている種類なのにどうして?)
不思議に思いつつ換気扇を回し、香りから逃げるように自宅を出た。
時刻は九時を回ったところで、近所のドラッグストアに日用品の買い物に向かう。
暑い日差しを避けて日陰を歩き、店内に入ると心地よく冷房が効いてホッとした。