内緒の双子を見つけた御曹司は、純真ママを愛し尽くして離さない
(かっこいいお客様のご来店だ。どんな本を読むんだろう)
「いらっしゃいませ」
迷わずビジネス書の棚に向かった彼を見て、果歩は頷いた。
(仕事ができそうな雰囲気に違わず、ビジネス本なのね。期待通り。でもビシッとスーツを着こなした人がコメディ漫画を買うのもギャップがあって素敵だと思う)
文庫本の棚に移動した果歩はポップを飾り、平積みの本を見やすく並べ直してからレジカウンターに戻ろうとした。
その途中で先ほどの男性客が目に入る。
ビジネス本を一冊手に取りパラパラとページをめくって棚に戻し、隣の本を引き抜く。
それを数回繰り返し、腰に手をあててため息をついていた。
(目当ての本が見つからないみたい)
そういう客を見逃せない果歩は足早に近づいて声をかけた。
「どのような本をお探しでしょう。よろしければお手伝いします」
小柄で童顔なのが頼りなく見えてしまうのか、こうして声をかけた客の中には、君みたいなひよっこにわかるわけないと言いたげな目で断る人もいる。
けれども彼は紳士的な笑みを返してくれた。
「いや、特定の本を探しているわけではないので」
「いらっしゃいませ」
迷わずビジネス書の棚に向かった彼を見て、果歩は頷いた。
(仕事ができそうな雰囲気に違わず、ビジネス本なのね。期待通り。でもビシッとスーツを着こなした人がコメディ漫画を買うのもギャップがあって素敵だと思う)
文庫本の棚に移動した果歩はポップを飾り、平積みの本を見やすく並べ直してからレジカウンターに戻ろうとした。
その途中で先ほどの男性客が目に入る。
ビジネス本を一冊手に取りパラパラとページをめくって棚に戻し、隣の本を引き抜く。
それを数回繰り返し、腰に手をあててため息をついていた。
(目当ての本が見つからないみたい)
そういう客を見逃せない果歩は足早に近づいて声をかけた。
「どのような本をお探しでしょう。よろしければお手伝いします」
小柄で童顔なのが頼りなく見えてしまうのか、こうして声をかけた客の中には、君みたいなひよっこにわかるわけないと言いたげな目で断る人もいる。
けれども彼は紳士的な笑みを返してくれた。
「いや、特定の本を探しているわけではないので」