愛されてはいけないのに、冷徹社長の溺愛で秘密のベビーごと娶られました
「それで、大人の男の人に慣れていなくて、しかも今眠たいから泣いたりぐずったりするかもしれないけれど……」
「わかった」
短いやりとりをしてリビングに戻る。私のうしろに続く紘人に緊張が隠せない。
母は紘人と入れ違いで外へ出ていったのでアパートには私と紘人、真紘の三人だけだ。おそるおそるリビングのドアを開けると真紘がぬいぐるみを抱きしめたままウトウトしていた。
頭が重力に従い揺れている。急いで真紘に近づき抱き上げると彼は目をぱちりと開け、紘人を視界に捉える。泣くかと思ったが真紘はじっと紘人を見つめた。
つられるようにゆっくりと私も紘人の方を向く。
「あの」
続きは声にならず、正面から紘人に抱きしめられる。真紘を抱っこしているので腕の力は緩められているが、彼の突然の行動に戸惑いを隠せない。
「夢みたいだ」
ぽつりと紘人は呟き、おもむろに顔を上げ私と視線を合わせる。
「目の前に愛理がいて、自分の子どもがいるなんて」
嬉しそうな表情は、私のよく知るもので懐かしさに胸がときめく。
「あー」
ところが真紘があからさまに嫌そうな声を上げ、紘人を押しのけようとする。少しだけ冷静になりお互いに一歩下がった。
「紘人の子どもなんて一言も言ってないけれど……」
嫌味ではなく疑問だった。どうしてそこまで自分の子だとはっきり言えるんだろう。
紘人と別れたあとすぐに付き合った人とか、それこそ二股をかけていて妊娠したから別れを切り出したとか、可能性はいくらでもあるのに。
「わかった」
短いやりとりをしてリビングに戻る。私のうしろに続く紘人に緊張が隠せない。
母は紘人と入れ違いで外へ出ていったのでアパートには私と紘人、真紘の三人だけだ。おそるおそるリビングのドアを開けると真紘がぬいぐるみを抱きしめたままウトウトしていた。
頭が重力に従い揺れている。急いで真紘に近づき抱き上げると彼は目をぱちりと開け、紘人を視界に捉える。泣くかと思ったが真紘はじっと紘人を見つめた。
つられるようにゆっくりと私も紘人の方を向く。
「あの」
続きは声にならず、正面から紘人に抱きしめられる。真紘を抱っこしているので腕の力は緩められているが、彼の突然の行動に戸惑いを隠せない。
「夢みたいだ」
ぽつりと紘人は呟き、おもむろに顔を上げ私と視線を合わせる。
「目の前に愛理がいて、自分の子どもがいるなんて」
嬉しそうな表情は、私のよく知るもので懐かしさに胸がときめく。
「あー」
ところが真紘があからさまに嫌そうな声を上げ、紘人を押しのけようとする。少しだけ冷静になりお互いに一歩下がった。
「紘人の子どもなんて一言も言ってないけれど……」
嫌味ではなく疑問だった。どうしてそこまで自分の子だとはっきり言えるんだろう。
紘人と別れたあとすぐに付き合った人とか、それこそ二股をかけていて妊娠したから別れを切り出したとか、可能性はいくらでもあるのに。