愛されてはいけないのに、冷徹社長の溺愛で秘密のベビーごと娶られました
 布団に横になり添い乳をすると、彼はすぐに目を半分閉じはじめた。寝つきがいいのは有難いが数時間置きに目が覚めるので、なかなかまとまって眠れないのはつらい。今日もまた起こされるのだろう。

 それでも、この横顔を見ていたら弱音も飲み込んでしまう。

 大丈夫。私が守るから。

 お腹にいるのがわかったときから、この想いはずっと変わらない。でも紘人が現れて母ひとり子ひとりの関係はまた少し変わるのかな? あまりピンと来ない。

 いつもなら真紘と一緒に眠ってしまったりするが、今日はそういうわけにはいかず、真紘が眠ってしばらくしてからそっと布団から抜け出した。

 子どもの体温は高いので、ぽかぽかだ。あまり熱くしすぎないようにしないと。

 慎重にドアを開けてリビングに顔を出すと、紘人はソファに座り私のスマホをじっと見つめていた。

「お待たせ」

 声をかけたら彼の視線がこちらに向く。

「寝たのか?」

「うん。でもまた起きるだろうから、ちょっとドアを開けていてもいい?」

 真紘が起きたらすぐにわかるように。もちろん紘人が拒否するわけもなく、私は足音をたてないよう彼に近づいた。さりげなく隣に座り、紘人が見ていた画像を覗き込む。

 画面に映っていたのはわりと最近の写真で、真紘がハイハイしたり、つかみ食べを始めた頃のものだ。

「あ、真紘が初めてつかまり立ちをしたときの動画あるよ!」

 興奮気味に伝えると、紘人は目を細めた。
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