愛されてはいけないのに、冷徹社長の溺愛で秘密のベビーごと娶られました
 紘人は時間さえ合えば、真紘に会うためにうちに足を運んでくれた。けれど母がいるときもあって、お互いに気を使わせるところを見ると彼と一緒に住むのを早く進めた方がいいのかもしれない。

 紘人の借りたマンションは元々ひとりの予定だったにもかかわらず、十分な広さがあるので、私と真紘が一緒に住んでもなんの問題もないらしい。

 アパートからも近く、気軽に母に顔を見せられる距離なのも有難い。けれど、がらりと環境を変えて真紘は大丈夫だろうか。

『大丈夫よ。大人より子どものほうが、適応能力が高かったりするもの』

 不安になる私に、母が背中を押してくれた。たしかに真紘は数日間紘人に会っているだけで、だいぶ彼に慣れて懐いているように思える。

 紘人の膝に座り、もらった絵本を読んでいる姿はすっかりリラックスしていた。

 どちらかというと、私の問題なのかもしれない。

 幸い、仕事は親友の立ち上げた会社から外注という形で案件を回してもらい、在宅でこなしている。彼女の会社の社員となるか、フリーランスで頑張るのか。

 そこは少しだけ揺れているが、どっちみち真紘が一歳になるのをめどに保育園に預けるのは決めていた。いつまでも母に頼りっぱなしではいけない。自立するために近くに部屋を借りようと思っていた。

 だからいい機会なんだ。
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