愛されてはいけないのに、冷徹社長の溺愛で秘密のベビーごと娶られました
「真紘、見える?」
反応をうかがおうと視線を横に向けたら、紘人が真紘を抱き上げ自分の頭の上まで持っていった。危ない!と思った次の瞬間、肩車の体勢となり、紘人が真紘の腰をしっかり支える。
「たぁっ!」
視界が高くなったからか、ライオンが見えたからか。真紘が急に興奮気味に遠くを見ている。私は体勢にハラハラして気が気ではない。
「大丈夫、ちゃんと支えているから」
その心配を感じた紘人からフォローされ、改めて真紘を見る。いつもより声も出て、楽しそうにはしゃいでいた。
「……うん」
「あらあら、いいお父さんねぇ」
ふと隣にいた年配の女性に声をかけられる。目が合ったあと、彼女の視線は紘人と真紘に注がれた。
「いいわね、お母さん。子育てに熱心な旦那さんで羨ましいわ。こうやって子どもを見てくれて、楽でしょ?」
一瞬戸惑ったが、すぐに無難に肯定しようとした。
「いいえ。父親なんていいとこ取りですよ。こうして過ごせるのは妻が普段、子どもと向き合って頑張ってくれているからなんです」
ところが私よりも先に紘人が答え、私もご婦人も目を丸くする。続けて彼女はにこりと微笑んだ。
「そう。素敵ね。大変でしょうけれど、子育てはあっという間よ。楽しんでね」
「あ、はい」
そう言って彼女は一緒に来ていた家族の元へ戻っていった。私たちもこのタイミングでライオンの檻の前から移動する。
「あっ、やー」
紘人が真紘を下ろすと、彼から抵抗の声があがった。どうやら肩車がよっぽどお気に召したらしい。またして欲しいと手を伸ばして紘人にせがんでいる。
反応をうかがおうと視線を横に向けたら、紘人が真紘を抱き上げ自分の頭の上まで持っていった。危ない!と思った次の瞬間、肩車の体勢となり、紘人が真紘の腰をしっかり支える。
「たぁっ!」
視界が高くなったからか、ライオンが見えたからか。真紘が急に興奮気味に遠くを見ている。私は体勢にハラハラして気が気ではない。
「大丈夫、ちゃんと支えているから」
その心配を感じた紘人からフォローされ、改めて真紘を見る。いつもより声も出て、楽しそうにはしゃいでいた。
「……うん」
「あらあら、いいお父さんねぇ」
ふと隣にいた年配の女性に声をかけられる。目が合ったあと、彼女の視線は紘人と真紘に注がれた。
「いいわね、お母さん。子育てに熱心な旦那さんで羨ましいわ。こうやって子どもを見てくれて、楽でしょ?」
一瞬戸惑ったが、すぐに無難に肯定しようとした。
「いいえ。父親なんていいとこ取りですよ。こうして過ごせるのは妻が普段、子どもと向き合って頑張ってくれているからなんです」
ところが私よりも先に紘人が答え、私もご婦人も目を丸くする。続けて彼女はにこりと微笑んだ。
「そう。素敵ね。大変でしょうけれど、子育てはあっという間よ。楽しんでね」
「あ、はい」
そう言って彼女は一緒に来ていた家族の元へ戻っていった。私たちもこのタイミングでライオンの檻の前から移動する。
「あっ、やー」
紘人が真紘を下ろすと、彼から抵抗の声があがった。どうやら肩車がよっぽどお気に召したらしい。またして欲しいと手を伸ばして紘人にせがんでいる。