愛されてはいけないのに、冷徹社長の溺愛で秘密のベビーごと娶られました
続けて江藤さんは紘人を信じられないといった面持ちで見た。そのことになんとなく違和感を覚える。しかし、すぐに彼女は笑顔を浮かべた。
「あ、申し遅れました。私、江藤秀美です。五十嵐さんとは仕事の関係でお世話になっておりまして……」
改めて彼女を見ると、なんとなく見たことがある気がする。でも、正確にいつどこでまではかは思い出せない。小骨が喉に引っかかったような気持ち悪さだ。
「私、以前KMシステムズで働いていたんです」
直接本人に尋ねようとしたら、その前に江藤さんから思いがけない発言が飛び出し、彼女を二度見する。江藤さんは私の動揺など気づいていないかのように、にこやかに続けていく。
「五十嵐さん、無事に新社長に就任されるようですね。奥さまとして彼はどうですか?」
「え、あの……」
突然の質問にどう返していいのかわからない。そもそも問いかけの内容が抽象的過ぎてなんて答えたらいいのか。
「江藤さん、会社も家庭もうまくいっていますから、大丈夫ですよ」
困惑する私に助け舟を出すように紘人が代わりに答えた。
「それはよかったです。また話を聞かせてくださいね。では、失礼します」
そう言って江藤さんは私たちに再度挨拶をして去っていった。彼女をどこかで見たことがあった気がしたのは父の会社の元社員だからだろうか。それにしても狭い業界とはいえ、KMシステムズで働いていた人と繋がりがあったなんて……。
「あ、申し遅れました。私、江藤秀美です。五十嵐さんとは仕事の関係でお世話になっておりまして……」
改めて彼女を見ると、なんとなく見たことがある気がする。でも、正確にいつどこでまではかは思い出せない。小骨が喉に引っかかったような気持ち悪さだ。
「私、以前KMシステムズで働いていたんです」
直接本人に尋ねようとしたら、その前に江藤さんから思いがけない発言が飛び出し、彼女を二度見する。江藤さんは私の動揺など気づいていないかのように、にこやかに続けていく。
「五十嵐さん、無事に新社長に就任されるようですね。奥さまとして彼はどうですか?」
「え、あの……」
突然の質問にどう返していいのかわからない。そもそも問いかけの内容が抽象的過ぎてなんて答えたらいいのか。
「江藤さん、会社も家庭もうまくいっていますから、大丈夫ですよ」
困惑する私に助け舟を出すように紘人が代わりに答えた。
「それはよかったです。また話を聞かせてくださいね。では、失礼します」
そう言って江藤さんは私たちに再度挨拶をして去っていった。彼女をどこかで見たことがあった気がしたのは父の会社の元社員だからだろうか。それにしても狭い業界とはいえ、KMシステムズで働いていた人と繋がりがあったなんて……。