愛されてはいけないのに、冷徹社長の溺愛で秘密のベビーごと娶られました
翌日に退院し、また日常に戻る。母や紘人からは無理をしないよう何度も言われたけれど、じっとしているのも性に合わない。紘人からは延期を提案されたけれど、週末には紘人のご両親が来る予定にもなっていた。
「お父さん、久しぶり」
「愛理か」
父のところに顔を出すのは実は久しぶりだ。プライドが高く、弱っているところを見られるのが嫌いな父は、お見舞いには来るなと口を酸っぱくして言っていた。
けれど父が倒れてから母だけはちょくちょく訪れてなにかと世話を焼いているのを知っている。離婚したとはいえ元夫婦だからなのか、実際にふたりの間になにがあるのかはわからない。
痩せて無精ひげを生やした父は口には出さないが、やはり弱っているし老いたと感じる。鋭い眼差しは相変わらずだが、いつもスーツを着こなして髪もきっちり整えていたのを思うと、父が最低限の人間しか面会を許さないのも頷けた。
本当は紘人とともに挨拶に来る予定だったが、先に私だけやって来た。真紘は母に見てもらっていて、父とふたりでこうして向き合うのは紘人の件を問い詰めたとき以来かもしれない。
「あのね、聞いているかもしれないけれど、結婚しようと思うの。崎本さんじゃなくて本物の真紘の父親と」
おずおずと口を開く。真紘の父親が今度新社長に就任する五十嵐紘人で、お互いの立場など知らず彼と付き合っていたこと、彼に対する父の一件を知って、身を引くように離れて別れた旨。
「お父さん、久しぶり」
「愛理か」
父のところに顔を出すのは実は久しぶりだ。プライドが高く、弱っているところを見られるのが嫌いな父は、お見舞いには来るなと口を酸っぱくして言っていた。
けれど父が倒れてから母だけはちょくちょく訪れてなにかと世話を焼いているのを知っている。離婚したとはいえ元夫婦だからなのか、実際にふたりの間になにがあるのかはわからない。
痩せて無精ひげを生やした父は口には出さないが、やはり弱っているし老いたと感じる。鋭い眼差しは相変わらずだが、いつもスーツを着こなして髪もきっちり整えていたのを思うと、父が最低限の人間しか面会を許さないのも頷けた。
本当は紘人とともに挨拶に来る予定だったが、先に私だけやって来た。真紘は母に見てもらっていて、父とふたりでこうして向き合うのは紘人の件を問い詰めたとき以来かもしれない。
「あのね、聞いているかもしれないけれど、結婚しようと思うの。崎本さんじゃなくて本物の真紘の父親と」
おずおずと口を開く。真紘の父親が今度新社長に就任する五十嵐紘人で、お互いの立場など知らず彼と付き合っていたこと、彼に対する父の一件を知って、身を引くように離れて別れた旨。