王子様は拗らせお姫様の虜
「千歳の焦る顔もいいわね、いっつも意地悪されっぱなしだから」

ふわりと笑う実花子から、目を逸らす。

僕の顔は、自分でもわかる位、火が出るほどに熱い。

「実花子、慣れてるけど、今までの男にもつけたの?」

僕は、実花子のモノだと言われたみたいで嬉しい癖に、咄嗟に意地悪な質問が、口から飛び出す。
僕は、本当に、独占欲の塊らしい。

実花子が、クスッと笑う。

「千歳が、初めてだよ、そんなに私のキスが良かった?」

「えっと……」

僕は、慌てて、そっぽをむく。

今日は、珍しく、僕は、目の前の拗らせお姫様に完敗だ。

「千歳……大好き」

実花子が、子供を宥めるような優しい声でそう言うと、僕の頬にそっと触れる。

僕は、子供みたいに拗ねた顔を、していたことに気づいて、眉を下げて笑った。

「ごめん、子供みたいだよね」

「全然。千歳は、私の前では完璧じゃなくていいの」 

「えと……ありがと」

「ふふっ、どういたしまして」

僕達は、額を寄せ合うと、微笑み合う。
こんなに幸せでいいんだろうか。
実花子が居れば何にもいらないや。

そして、僕は、実花子にようやく、その言葉を口にする。
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