私は人魚姫
「ありがとうございます。

よろしくお願いします!」



少し大きめの声でそう言った私を見て、渚が吹き出した。



「お前、なんか面白いな。」

「なっ、どこが面白いのよ!?」



私はそう言って、少し怒ったふりをした。



「…」



渚がなんだか肩を落としている。

きつく言い過ぎちゃったのかも。



「ごめ…」



そう言いかけた私の頬を渚が掴んで引っ張った。



「バーカ。

引っ掛かってやんの!!」

「ばっ、バカって…ひどい!」



そう言って私は、泣くふりをして目を伏せた。

そんな私を見て渚はオロオロしている。



「悪かった。泣かせるつもりじゃ、なかったんだ。」
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