微妙にHではない恋愛@異文化交流物語・魔法の恋の行方シリーズ7・アラゴンとアクア
魔族では、自分の弱みを知られることは、絶対の禁忌なのだ。
家族以外は、
絶対に知られてはならないのに・・・・

「とにかく乾かさないと」
アラゴンは魔力で炎をつくり、
たき火にして、自分の翼を乾かすように広げた。

「なぜ・・・なぜ、ピンクちゃんのリボンを・・
アラゴン先生が持っているのですか・・?」
青ざめて、座りこんでいるアクアからの問いに、
アラゴンは、濡れた黒の前髪をかき上げた。

「・・・・・・」

アラゴンは額に手を当てて、
アクアを見ないようにした。
「だって・・あの・・子猫ちゃん、アラゴン先生が、あんなかわいい子になる・・・?!」

アラゴンの無言は、肯定だった。

アクアは、後ずさりして、背中が木の幹にぶつかり、そこでしゃがみこんだ。

「俺だって、好きであんな姿になったわけじゃない!
ちょっとしたはずみで・・・
たまたま、あの姿になっちまって」
アラゴンは、口ごもった。

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