微妙にHではない恋愛@異文化交流物語・魔法の恋の行方シリーズ7・アラゴンとアクア

グレインおじさんの温室


どこまでも、荒野、
赤茶けた土と枯れ木、石だらけだ。
アラゴンは大きな山並みを、飛んで行く。

そこは、フェアリーの領の境近くだった。

魔族の力と、フェアリーの魔力が干渉しあって、ゆがみを起こしているのだろう。

アラゴンは、時折、自分の体が地面に引っ張られるような、違和感を感じていた。

その場所は、下草が生えて、
小さな雑木林も点々とあった。
大きな城跡、廃墟がある。

「伯父さんの館だ」
アラゴンは裏庭に着地すると、
アクアは急いで滑り降りた。

「こっちだ。」
アラゴンは先を指さすと、
大きなガラス張りの温室がある。

しかし、ガラスは破れ、鉄骨は曲がり、荒れ果てていた。
「注意しろよ、地面が割れて、
大穴があいている所もあるからな」

「ここって・・・」
温室は花が咲き乱れ、
シダが生い茂り、花の芳香で満ちていた。

< 51 / 61 >

この作品をシェア

pagetop