微妙にHではない恋愛@異文化交流物語・魔法の恋の行方シリーズ7・アラゴンとアクア
その昔、悪ガキのアラゴンが、
この館で、謹慎を命じられた時の事だった。
真夜中に、脱出しようと、
この温室の前を通りかかった時に、見た光景が忘れられない。

冷たい光を放つ満月、
グレイン伯父さんと、銀の髪のフェアリーの娘が、この温室で踊っていたのだ。

満開の花が降りしきる中で・・・・
それは、それは、美しかった。
そこだけが、別世界だった。

アクアは手を広げて、
降りしきる花を受け止めた。
「フェアリーたちでも、こんな事はできないです」

アラゴンは鼻の下をこすって、
フンと息を吐いてから

「もし、政略結婚・・・って話がでたら・・
俺が立候補してもいいかな?」

アラゴンは、振って来る花のひとつを受け止めて、アクアの手の平に乗せた。

「アンタは・・美しいし、
それに、ずっと一緒にいてほしいって・・言っていたから」

酒を飲んだ時のように、フワフワするし、恥ずかしいけど、
なにか、くすぐったくて甘い気持ちもする。
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