死神キューピッド
「……虹太、あの子、大丈夫だった?」


虹太にたずねながら、声が震える。


虹太の返事を聞くのが……怖い。


ケガさせないように、しっかりと抱きしめて、くるんだつもりだったけど。


とにかく一瞬のことだったから。


「大丈夫。柚のおかげで、ぴんぴんしてたよ」



「はあああ。そっかぁ、よかったあ……!」


ほおっと全身の力が抜ける。


だって、あの子にはまだ未来がある。


私たちが手放してしまった明るくて、眩しい未来。


どんなに辛い「今」も、いつかは過去になっていく世界。


今になってわかる。


あの世界には、たしかにあった。


いつかは訪れる、新しい時間が。


自分だけの幸せを求めることのできる未来が。


未来をなくしてしまった私たちに、もう、明日は来ない。


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