死神キューピッド
「まあ、前向きに言えば。けど、……俺さ、お前が幸せになるとこみたら、多分ちゃんと成仏できるから。ちゃんと立ち直って、俺のいない生活に慣れて、新しい彼氏とか、見つけてさ……」


「ふーん」


「って、柚。なんで嬉しそうな顔してんだよ。むしろ、この状況でその笑顔、すげえ怖いんだけど。……それって、どういう笑顔?」


怯えたように、虹太が瞳を揺らす。


おびえる幽霊と、笑う人間。


「ちょっと怒ってるけど、喜んでる。私、ものすっごく喜んでる。そのままの顔だよ」


「喜んでるって……」


「だって、虹太は私が死ぬまで一緒にいてくれるんでしょ?」


「けど、俺は、柚を幸せには、してやれないから……俺のことなんてすっぱり忘れてさ、他の奴と、ちゃんと幸せになって欲しい。新しい奴ができたら、俺とのことなんて、きっと、すぐ過去のことになるから……」


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