死神キューピッド
「それ、もう一度、はじめから全部、私の顔を見て言える? そんなに辛そうな顔して、……しんどそうに視線そらして言わないで。どれだけ虹太と一緒にいたと思ってるの? どれだけ虹太のことを見てきたと思ってるの?」


「ごめ……」


「ごめん、とか言ったら本気で殴る。謝らないでいい。そのかわり、絶対に虹太のことを成仏なんてさせないから。うん、いいこと聞いた。私、絶対に虹太のことを、成仏なんてさせない」


ごめんなさい、神様。


幽霊の虹太を、私にください。


私は、絶対に虹太以外のひとと幸せにはなりません。


そのまま、倒れ込むようにして虹太と素肌を重ねた。


終わりのないキスをして、抱きしめ合って、お互いの体温を分け合って。


虹太の熱を遮るものなく受け止める。


幽霊の虹太に覆いかぶさり、何度も何度も、気を失うまで抱き合った。


< 61 / 117 >

この作品をシェア

pagetop