死神キューピッド
「私さ、虹太との赤ちゃんが生まれたら全力で育てるのに。幽霊でもなんでも、虹太との子だったら世界一、大事にするのに。だれよりも幸せに、ひとりで立派に育ててみせるのに」


「お前、ホント、バカ」


そう言って、愛おしそうに私に触れる虹太は、これ以上ないほど甘くて優しい。


「虹太と一緒にいられるなら、私はバカでいい」


「お父さんはどこにいるの?って聞かれたら、なんて答えるんだよ。『あなたのお父さんは幽霊なのよ、見えないけどそこにいるのよ』とでも、言うのかよ」


「私の子なら、虹太のことが見えるに決まってる。なんなら、虹太にも授業参観に来てもらう」


「……柚なら、本当にやりそう」


呆れたように目じりを下げて笑った虹太が、私の額に唇を落とし、両腕で私をくるむ。


「……ねえ、どうして私には虹太が見えると思う?」


虹太の胸に顔をうずめて、問いかける。


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