死神キューピッド
もし、虹太がそう願うなら、きっと、私の想いは邪魔になる。


「成仏なんてできるはずないだろ。俺は柚と、一緒にいたい。当たり前だろ。散らかった部屋で、ボロボロになってるお前を見せられて。……ひとりにしておけるかよ」


吐き出した虹太の言葉が、砂糖水みたいに甘く心にしみわたる。


あー、もう、虹太のこと好きになってよかった。


虹太のこと、待っててよかった。


「こんな俺でも許してくれるなら、俺は最期の瞬間まで、柚と一緒にいたい。……それが、どれだけ辛いものであったとしても。幽霊の分際で、一緒に外も歩けなくて、飯も食いに行けなくて。何言ってんよだって感じだけど」


沈んだ顔をして視線を落とした虹太に、丸めた紙屑を投げつけた。


虹太は目をぱちくりさせて、子どもみたい。


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