死神キューピッド
毎週月曜に、親父がコンビニに俺に会いに来ていたように、今度は俺が親父の見舞いに来るようになるんだろうか。


面会を終えて、病院の自動ドアをぬけたところで、がっつりとふくらはぎを捕獲された。


……またかよ。


「パパっ」


「まだ、いたのかよ……」


「ぱーぱっ、ぱーぱっ」


「だから、パパじゃねえって、言ってんだろ。って、……は?」


「うっつく、うっ……、ううっ」


じわっと潤んだちっこい瞳が、あっという間に涙で満たされた。


「う、う、う、うわっあんっ」


大号泣になる寸前に、その小動物を胸に抱き上げる。


び、びびった。


肝が冷えた。


泣いたりぐずったりしてるガキは、バイト先でもたまに見かけるけど、俺が泣かすのとは訳がちがう。


高く抱き上げられて視界が変わったとたんに、ガキが声をあげてはしゃぎはじめる。


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