モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
「あ……申し訳ありません。うっかりしていて」
「うっかり?」
ユリアンは驚きの顔になる。王族の彼からしたらありえないのだろう。
でもロゼの記憶があるベアトリスにとっては、ごく自然な行動だった。
(平民には毒見係なんていないもの)
どんなときでも自分の経験と勘で判断するしかない。
「幸いこの水は問題ないようです」
ユリアンはじっと湧き水を眺めていたが、しばらくすると大きな手で水を汲み口に運んだ。彼もかなり喉が渇いていたようで、ごくごくと飲んでいる。
男らしい喉ぼとけが動くのを見て、ベアトリスはどきりとした。
「この辺りは野営にちょうどよさそうだな。進むのはここまでにして、陽が昇ったらまた先を進もう」
「はい」
「……なにをしているんだ?」
湧き水の側でしゃがみ込んでいたベアトリスにユリアンが尋ねる。
「ハンカチを水に浸していました」
けがをしたときに手あてに使ったり、なにかを包んだりとあれば重宝すると思って、鞄に何枚か詰めてきた。すべてベアトリスがあまり布を適当に切って作ったので飾り気がなく、気軽に使えるものだ。
ベアトリスは水気を軽く絞り、ユリアンに差し出す。
「よかったらこれで顔など汚れがついたところをお拭きください」
「あ、ああ……すまない」
「うっかり?」
ユリアンは驚きの顔になる。王族の彼からしたらありえないのだろう。
でもロゼの記憶があるベアトリスにとっては、ごく自然な行動だった。
(平民には毒見係なんていないもの)
どんなときでも自分の経験と勘で判断するしかない。
「幸いこの水は問題ないようです」
ユリアンはじっと湧き水を眺めていたが、しばらくすると大きな手で水を汲み口に運んだ。彼もかなり喉が渇いていたようで、ごくごくと飲んでいる。
男らしい喉ぼとけが動くのを見て、ベアトリスはどきりとした。
「この辺りは野営にちょうどよさそうだな。進むのはここまでにして、陽が昇ったらまた先を進もう」
「はい」
「……なにをしているんだ?」
湧き水の側でしゃがみ込んでいたベアトリスにユリアンが尋ねる。
「ハンカチを水に浸していました」
けがをしたときに手あてに使ったり、なにかを包んだりとあれば重宝すると思って、鞄に何枚か詰めてきた。すべてベアトリスがあまり布を適当に切って作ったので飾り気がなく、気軽に使えるものだ。
ベアトリスは水気を軽く絞り、ユリアンに差し出す。
「よかったらこれで顔など汚れがついたところをお拭きください」
「あ、ああ……すまない」