モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
「獣は火を嫌いますし、体が温まりますし、食料には火を通した方が安心ですから」
「食料? クロイツァー公爵令嬢、なにを言って……」
驚くユリアンの前で、ベアトリスはてきぱきと石を積み上げて竈を作る。
大きな枝を並べ、中央には細い枝をのせる。
「これでよしっと」
続いて祈るように手を組み、炎よ来たれと強く念じる。
すると竈の中にとても小さな火が生まれ、細い枝に少しずつ燃え広がり大きくなっていく。今ベアトリスが使える唯一の魔法、〝蝋燭に火をともす〟を応用したものだ。
こんな小さな火なのに発動までに時間がかかり、しかもなぜか祈りの姿勢を取らないといけないので、実戦にはまったく使えない。しかし今ようやく役に立った。
「……今のはクロイツァー公爵令嬢の魔法か?」
ユリアンが怪訝そうにつぶやく。
「はい。ユリアン王太子殿下のすごい氷魔法を見た後だと恥ずかしいのですが」
ユリアンはなにか言いたそうに口を開く。けれど結局なにも言葉にしなかった。
(きっと、あまりのしょぼさにフォローの言葉も出てこないのね)
その気持ちはわかりますと思いながら、ベアトリスは立ち上がり辺りをウロウロし始めた。しばらくして、落ちていた枝を使い木の根もとを掘り始める。
「なにをしているんだ?」
ユリアンがやって来て、ベアトリスの手もとを覗き込む。しかしなにをしているのかわからない様子だ。
「食料? クロイツァー公爵令嬢、なにを言って……」
驚くユリアンの前で、ベアトリスはてきぱきと石を積み上げて竈を作る。
大きな枝を並べ、中央には細い枝をのせる。
「これでよしっと」
続いて祈るように手を組み、炎よ来たれと強く念じる。
すると竈の中にとても小さな火が生まれ、細い枝に少しずつ燃え広がり大きくなっていく。今ベアトリスが使える唯一の魔法、〝蝋燭に火をともす〟を応用したものだ。
こんな小さな火なのに発動までに時間がかかり、しかもなぜか祈りの姿勢を取らないといけないので、実戦にはまったく使えない。しかし今ようやく役に立った。
「……今のはクロイツァー公爵令嬢の魔法か?」
ユリアンが怪訝そうにつぶやく。
「はい。ユリアン王太子殿下のすごい氷魔法を見た後だと恥ずかしいのですが」
ユリアンはなにか言いたそうに口を開く。けれど結局なにも言葉にしなかった。
(きっと、あまりのしょぼさにフォローの言葉も出てこないのね)
その気持ちはわかりますと思いながら、ベアトリスは立ち上がり辺りをウロウロし始めた。しばらくして、落ちていた枝を使い木の根もとを掘り始める。
「なにをしているんだ?」
ユリアンがやって来て、ベアトリスの手もとを覗き込む。しかしなにをしているのかわからない様子だ。