モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
「こ、こちらこそ。王太子殿下とご一緒出来るなんて光栄です。足を引っ張らないようにがんばりますのでよろしくお願いいたします」

 カロリーネが緊張した様子で深く頭を下げる。その後彼女が側近のふたりに対しても礼儀正しくを下げると、彼らは笑顔で快く受け入れていた。

 ところがカロリーネには優しい顔をしていたツェザールが、ベアトリスの顔を見た途端に渋面になった。

 大嫌いなベアトリスに不本意ながら手を貸す形になるのが我慢ならないといったところだろう。

(文句はユリアン王太子に言ってよね)

 この状況までベアトリスのせいにされてはたまらない。

 といっても、彼にはこれからたくさん魔獣を退治してもらわなくてはならない。

 ベアトリスは目的のため、ツェザールを刺激しないよう空気になることに徹した。


 討伐は班ごとに時間差で出発する。森の中には魔法学院の教師がところどころで警備している。基本的に助けてはもらえないが、危険が迫った場合にのみ介入するという話だった。

(訓練はしっかり管理されているみたいだし、魔獣はユリアン王太子たちがなんとかすると約束してくれてるんだからそれほど怖がる必要はない。落ち着かないと)

 早くもドキドキとうるさい心臓を落ち着かせようと、ベアトリスは深呼吸をする。
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