敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
それでも殿下は完全に放そうとはせず、私はいまだ彼の胸に頭を預けた恰好のまま。近すぎる距離に戸惑い、血が巡る音がドキドキと煩いくらい鼓膜に響いていた。
「すまん。朝日に照らされた君は妖精のように儚げで、そのまま宙に溶けて消えてしまいそうに見えた」
殿下は少し気まずげに弁解した。
「妖精ですか?」
まさかの発言にパチパチと目を瞬き、小さく身じろいで僅かな隙間から殿下を見上げる。
「おかしいか? だが、俺の目にはそう見えたのだ。それで捕まえておかねばと咄嗟に手が伸びていた」
殿下がちょっとムスッとした表情で、ぶっきらぼうに答えた。一見すれば不満そうにも見えるが、私に向ける瞳は不安げで、まるで飼い主の出方を窺う子犬のようだ。大人の男性に対して失礼ではあるが、なんだか可愛いと思った。
「おかしいとは思いませんが、私は溶けて消えたりしませんよ。だから安心してください」
私は微笑んで両手を殿下の広い背中に回し、ポンポンと叩く。
殿下は一度目を見張り、キュッと瞑る。
「すまん。朝日に照らされた君は妖精のように儚げで、そのまま宙に溶けて消えてしまいそうに見えた」
殿下は少し気まずげに弁解した。
「妖精ですか?」
まさかの発言にパチパチと目を瞬き、小さく身じろいで僅かな隙間から殿下を見上げる。
「おかしいか? だが、俺の目にはそう見えたのだ。それで捕まえておかねばと咄嗟に手が伸びていた」
殿下がちょっとムスッとした表情で、ぶっきらぼうに答えた。一見すれば不満そうにも見えるが、私に向ける瞳は不安げで、まるで飼い主の出方を窺う子犬のようだ。大人の男性に対して失礼ではあるが、なんだか可愛いと思った。
「おかしいとは思いませんが、私は溶けて消えたりしませんよ。だから安心してください」
私は微笑んで両手を殿下の広い背中に回し、ポンポンと叩く。
殿下は一度目を見張り、キュッと瞑る。