敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
「……エミリアが可愛すぎる。このままずっと俺の腕の中に閉じ込めておきたい……いや、それはエミリアの憂慮をすべて取り除いてからでなければ駄目だ。なんとしても父や大臣らの了承を取り付けねば」
そのまま殿下は口内でブツブツとつぶやいているけれど、その内容まではよく聞こえない。
ここでふと、昨夜も同じような場面があったことを思い出す。
……きっと独り言が癖なのね。
私はこんなふうに納得し、明瞭さを欠いてもまだ十分に美しい逆さ山を眺めながら、殿下が自分の世界から戻ってくるのを待った。
「エミリア」
しばらくして、殊の外真剣な声で呼びかけられる。
「はい?」
視線を上げると、セルリアンブルーの瞳が真っ直ぐに私を見下ろしていた。
「必ず婚姻の儀までにきちんと形を整える。だから俺を信じて待っていてほしい」
殿下の言葉は肝心の『なにが』の部分が不明瞭だ。
きちんとした形というのがなにを差すのかもわからないけれど、彼の真摯な眼差しを前に、気づけばコクンと首を縦に振っていた。
「はい」
そのまま殿下は口内でブツブツとつぶやいているけれど、その内容まではよく聞こえない。
ここでふと、昨夜も同じような場面があったことを思い出す。
……きっと独り言が癖なのね。
私はこんなふうに納得し、明瞭さを欠いてもまだ十分に美しい逆さ山を眺めながら、殿下が自分の世界から戻ってくるのを待った。
「エミリア」
しばらくして、殊の外真剣な声で呼びかけられる。
「はい?」
視線を上げると、セルリアンブルーの瞳が真っ直ぐに私を見下ろしていた。
「必ず婚姻の儀までにきちんと形を整える。だから俺を信じて待っていてほしい」
殿下の言葉は肝心の『なにが』の部分が不明瞭だ。
きちんとした形というのがなにを差すのかもわからないけれど、彼の真摯な眼差しを前に、気づけばコクンと首を縦に振っていた。
「はい」