敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
「さすがにそれは過称です。……でも、ありがとうございます」
 会場前に到着すると、お仕着せを身に纏った侍従が丁寧に腰を折り、両開きの大扉を左右に開く。私は殿下と共に、会場内に最初の一歩を踏み入れた。
 王太子殿下の登場に、会場内が沸き立つ。
 そっと見上げた横顔は、芸術品のように整っている。体付きも居並ぶ騎士たちにだって引けを取らないほど引き締まり、その立ち姿は文句なしに凛々しい。今夜は長身に王族だけに許された白い詰襟の正装を纏い、左肩から前部にかけられた私のドレスと同色のブルーの飾緒が際立っていた。
「まずは君のことを陛下に紹介しよう」
 気品溢れる殿下の佇まいは他を圧倒し、会場の前方で大臣らと歓談していた国王陛下すら凌ぐほどの風格を漂わせていた。
 この会場で誰よりも美しく、誰よりも人の目を引きつけているのは他でない彼だ。
「はい」
 人々の視線を物ともせず、殿下は颯爽と会場内を進んでいく。私はしずしずとそれに従う。
< 110 / 265 >

この作品をシェア

pagetop