敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
 少しの違和感を覚えつつ、アニータと特訓したカーテシーを披露する。
「お初にお目にかかります。エミリアと申します。どうぞよろしくお願いいたします」
「うむ、よくまいられた。ジークフリードとよしなにな」
「はい」
 国王陛下と交わした会話はたったこれだけ。実にあっさりと終わった対面に拍子抜けする。同時に、明らかに及び腰の陛下の態度に内心で引っ掛かりを覚えた。
 その後は作法通り、高位の大臣から順に挨拶していく。こちらも通り一遍の挨拶だけで特に話題が広がることもなく、最後の大臣に一礼した後、早々に場所を移──ろうとしたら、なぜか陛下と大臣たちが我先にと会場内に散っていった。
「……え?」
 不可解すぎる彼らの行動に首を捻った。
「これ以上せっつかれては堪らんと、尻尾を巻いて逃げ出したな」
 殿下が苦笑いで漏らした台詞にギョッとする。
 普通に考えて、国王陛下や大臣が王太子から逃げ出すなんて、そんな馬鹿な話はない。
< 112 / 265 >

この作品をシェア

pagetop