敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
「父も大臣も俺の不在中に勝手に事を進めた引け目があって、俺の言い分を無視できない。かと言って、すんなり俺の希望を認めるのには二の足を踏んでいる。よくも悪くも体裁や外聞を気にする奴らだからな」
 仔細がわからないまま聞いていたが、それにしたって国の最高権力者を捕まえてずいぶんな言いようである。
 驚いて瞬きを繰り返していると、殿下が私に問いかける。
「俺が先日『きちんと形を整える』と言ったのを覚えているか?」
「はい」
「そのためには議会で過半数の承認が必要でな。俺は連日、議決権を持つ父たちに掛け合っているんだが、のらりくらりと躱されている状況だ。もちろん婚姻の儀までにはなんとしても認めさせるが、まったくもって奴らの日和見は折り紙付きだ」
 殿下は呆れを滲ませるが、私は彼がなにをなそうとしているのかそもそもわかっていない。彼の言う〝きちんとした形〟とはなんなのか。先日も気になりつつ、あえて濁したままにしていた部分だ。
「あの──」
「ジークフリードや、久しいの」
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