敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
 ダンスの講師が外されて以来、七年振りのダンスは少し不安だったけれど、ディーノの巧みなリードですぐに勘を取り戻した。もともと踊ることは大好きだったのだ。
 気づけば何曲も踊っていた。曲が止んでも私たちはしばらくホールドの体勢のまま、固く手を握って微笑み合った。
 心地よく息が弾み、全身が充足感に満たされていた。
 ふいに、頭上で息をのむ気配がした。
 直後にディーノは空気に溶けるように姿を消し、他の精霊たちの姿もほぼ同時に見えなくなった。
 ──カタン。
 響いた物音にハッとして振り返ると、ジークフリード殿下が大広間に続くガラス張りの扉の前に立っていた。
「エミリア、ここにいたのか」
「ジークフリード殿下……!」
 カツカツと靴音を響かせて、殿下が私のもとへと歩いてくる。
「飲み物を取りに行ったきり、なかなか戻ってこないから心配した」
 既に精霊たちの姿はなく、周囲に他の人影もない。
「すみません! 少し人に酔ってしまったようで、外の空気を吸っていました」
 私は咄嗟に嘘をついた。
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