敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
「……そうか」
 殿下は少し先のベンチに置かれたままになっている皿を一瞥したが、特に言及せず小さく首を縦に振った。
 きっと殿下は私の嘘に気づいている。
「長くいては体が冷えてしまう。中に戻ろう」
「は、はい」
 顔色を失くす私を余所に、殿下はなにごともなかったようにそっと私の肩を抱き会場内へと促した。
 会場に戻ると、一旦席を外していた楽団員が着席しだしている。もうじき休憩が終わり、後半のダンスタイムが始まるようだ。
 終盤に向かい、会場内の熱気が高まっていた。
 そんな盛り上がりを背に、前方の扉から国王陛下が退出していく姿が見えた。
「さて、俺たちもそろそろ引き上げるか」
「え? 後半のダンスタイムがまもなくのようですが、踊っていかれないのですか?」
「王族の目があっては、参加者らも羽を伸ばしにくいだろうからな。席次のない宴では、陛下も俺も中盤を目途に退席するようにしている」
 サラリと返された答えに、私は青くなった。
「っ、すみません! 私、知らなくて……っ」
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