敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
 ……殿下と正妃様の邪魔にならないよう、この想いには蓋をしなければ。
 恋を自覚した瞬間に決まった失恋に、私は殿下からスッと視線を逸らし、自嘲の笑みをこぼした。
 その時──。
「お待ちになって! まさかお帰りになるの!?」
 扉に向かおうとする私たちに、後ろから声がかかった。振り返るとイベンヌ様が不満を前面にして立っていた。側にブリジッタ様の姿はなく、ひとりだった。
「ああ。ではな」
「そんな……! あんなに一緒に踊ってほしいとお願いしたのにあんまりだわ!」
 素っ気なく答えてそのまま帰ろうとする殿下に痺れを切らしたのか、イベンヌ様が強引に殿下の腕を取った。
 淑女にあるまじき行動に、ギョッと目を剥いた。だけど、それと同じくらい私を驚かせたのは、殿下がイベンヌ様と踊らなかったという事実。
 ……うそ。てっきり彼女とダンスを楽しんだとばかり思っていたのに。
「先ほども言った通り、俺は妻以外と踊る気はない。腕を離せ」
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