敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
 これから殿下が躍るとわかり、会場内はワッ!と沸いた。ぎこちなかった空気は一気に華やいで、殿下に触発されるようにひと組、またひと組と男女が手を取り合って進みでる。
「今宵、君と踊る栄誉に感謝する」
 クイッと腰を抱き寄せられ、耳朶を掠める近さで蕩けるような囁きを聞く。
 熱に浮かされたみたいになりながら、逞しい肩に左手を添える。
「恥ずかしいのですがあまり踊り慣れていなくって。どうぞお手柔らかにお願いします」
 身長差があるせいで、まるで私が殿下に縋りついているみたいだ。密着した体勢に、カァッと耳まで赤くなった。
「ならば俺に身を委ねていたらいい」
 殿下は私を見下ろしてフッと微笑み、音楽に合わせてステップを刻みだす。
 私は最初の一歩で、その踊りやすさに目を見張る。殿下のリードは、全身がすっぽりと包み込まれているみたいな安定感があった。
 揺るぎなく的確に導いてくれるから、私は全幅の信頼を寄せて体を預けていられた。
 くるくる、ふわふわ、殿下の腕の中で舞う。
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